ゆみこママと
なんちゃってな人々
ゆみこママ
1962 3月 大阪生まれ
40歳にして出産
妊娠5ヶ月でダナンに初越南
様ざまなカルチャーショックを受ける
出産の為8ヶ月の終わりに一時帰国
産後2ヶ月の赤ちゃんを連れて再越南
現在に至る
03/05/19
<クシで9回>
今日も、いつものカフェーにいった。
今、私は妊娠3ヶ月なんだと報告をした。
カフェーの女たちが、私を取り囲んで、質問攻めにあった。
yumiko、もう次の子供、妊娠したんか?
「ハイ・・・」
カフェーのみんなは、興味津々で質問?いや質問ではない、私への指導だった。
まだお乳がでるといって、マイちゃんにお乳をあげ続けるのは良くない!
すぐに止めなさい。今すぐ止めなさい。
私は、お乳が張って痛くて仕方が無い。
ベトナム人は、すでにその対処方法を持っている。
yumiko、お乳を櫛で9回こすりなさい。
なぜだ?
そうすれば、櫛の痛さで、お乳の張りを忘れるとでも言うのだろうか?
なぜ9回?。なぜ櫛?すごい、生活の知恵!
パパに言うとそりゃ絶対に試しなさいと言う。
他人事だと思って
ぜっ〜たいにしないもんね。
<ミドリさん>
バクダンホテルでの暮らしにある晩、私は切れた。「キィーこんなシャワーもろくに浴びれないホテルなんてもう嫌だぁー」「バスタブに浸かって体を温められないんだよぉーお腹の赤ちゃんも可哀想だよヒィー」「キィィー」
翌日、お湯に浸かれて食堂にハエがいないエレガントホテルに移った。主人は胎教に良くないと思ったのだろう。そのホテルに1ヶ月いる間に家を探して改装しハウスキーパーさん募集の新聞広告を出した。応募条件は育児経験のある人、イングリッシュスピーカー、年齢25から35歳。
主人のオフィスのスタッフは難しい条件だと言った。年が若くて英語の話せる人はハウスキーパーの仕事は選ばないというのだ。最もである。実際、オフィスで働く秘書たちは英語を話せてPCを使いこなす高給取りでお洒落にも気を配るエリートである。
応募者がいないのでバイリンガル秘書のクイが知り合いにベトナム戦争時アメリカ人のハウスキーパーをしていた人を紹介すると言って連れてきた。
しかしインタビューでの彼女は全く英語が話せず何よりも産まれてくる赤ちゃんを任せられるような衛生的な人ではなかった。年は60歳位に見えたが実際は50歳だった。
主人は、私より年上だと仕事を頼みにくいだろうと年齢を制限していた。
この時、話の流れでベトナム戦争の事が出た。勿論ベトナムの人にとってはベトナム戦争では無くアメリカンウォーと呼ぶ。
ミスクイはこの戦争をオンリー ツゥエンティ イヤーズと言った。 あの悲惨な出来事をほんの20年というのだ。 私は驚いてオンリー ツゥエンティ イヤーズ!?と叫んだ。
すると彼女は「中国とは一千年やっていた。」と答えた。恐るべし精神力。
話はそれたがその後も応募者は2名だけだった。一人は以前オーストラリア人の家で働いていて料理も得意と言ったがやはり英語はまったく理解していなかった。今は忘れているけど働いている間に思い出すと前者と同じ事を主張するが元々覚えていない筈である。
この人も髪はべっとり油ぎっていてフケだらけ、裸足で手は真っ黒に汚れていた。
もう一人は フゥオンさんという小奇麗な身なりの人だった。
彼女も英語は話せなかったが私はもうこの人に決めたかった。
大きなお腹を抱えて言葉の通じない慣れない市場に行くのは大仕事だったし。妊娠6ヶ月を過ぎても続くつわりで家の掃除も億劫だった。
でも主人は彼女を気に入らなかった、もっと明るい感じの人がいいらしい。
兎に角、試しに一日だけ来てもらった。そして少しのスッタモンダはあったが彼女は今、我が家で働いてもらっている。
ベトナム語の発音が難しく何度フゥオンさんとカタカナ読みで言っても通じない。
オフィスのお局OLが同じくフゥオンさんで私たちが発音できないので彼女自身がオレンジジュースが好きだからミス オレンジと呼んでくれと言っていたのを思い出した。
早速、本人の了解を取ってミドリさんと呼ばせて貰うことにした。
なぜミドリさんなのか?彼女は第一印象の少し暗い感じとは正反対の漫画サザエさんのキャラだったのである。慌てん坊で天然ボケ、表情豊かで涙もろく体は細いが声はデカい。
だがサザエさんと呼ぶには余りにも気がひける。日本人のお客様が来た日には意図がバレバレだ。それでサザエさんの声優をされている方の名前がみどりさんと言うのを思い出し。こちらにした。
ミドリさんに名前の由来を聞かれたが正直に言えず緑色は平和の色なのよと言い訳した。
しかしこの後、彼女の行動によって、私にとんでもない出来事が起ころうとは思いもよらなかった。
<ヤモリの“太郎”>
ダナンに到着してから初めの2ヶ月ほどはホテル住まいをしていました。ホテル住まいと聞くとなんだかカッコよく聞こえますが現実はそうでもありませんでした。最初のホテルは川沿いに建つ中級クラスのバクダンホテルにいました。まず、このホテルが大変でした。フロントでも英語があまり通じなく、しゃべっても凄く訛っています。お風呂のお湯はでない。そして、到着した12月は、雨季で、ジメジメ不快指数は120%を超えている。
夜寝ていると、体のそこらかしらが、何だか痒っ。主人と2人でなにか居るゾォーと何度飛び起きたかわからない。ダニに違いない。
ある日、テラスの食堂で夕飯を取っていると、いつも同じ場所にヤモリが居ることに気がついた。怖っ。私は、虫、爬虫類はオールアウト大の苦手なのである。
私がベトナムに行くと言ったとき両親、姉 友人全員に絶対に、あなたには無理と言われた。恐怖症、潔癖症気味の私には不可能だと言うのだ。
そんなの本人が一番分かっていた。でも行かねばならぬ。
一緒に来ることを夫は1番に望んでいたし、私も離れ離れになるのは嫌だった。
ゴキブリなどは、大の苦手だから、誰よりも早く一番に発見する。ビビっているから誰よりも早く反応し悲鳴をあげる。
ヤモリがいる・・・・ 昨日も一昨日もいた・・・・今日もいる・・・明日もいるだろう・・・
悲鳴を上げないのは ヤツは私のテーブルからは遠いテラスの表側に一番近い所にいるしゴキブリと違って殆ど動かないからだ。
夫はこういう事に異常に反応する私を冷たくあしらう。それどころかカエルのカレー炒めなんかをオーダーして私に無理矢理食べさせようとしたりする。
カエルの時は同席に日本人の上司がいたのであまり大騒ぎできず 私の茶碗の中へ主人が放り込んだカエルの足身をサザエさんがエンディングでやるようにンググゥと飲み込んだ。
冷や汗が体中の毛穴から出た。
今日はヤモリごときでうろたえるのは私自身が面白くない。
そこで名前をつけて少しでも親近感を持つことにした。
そうだ“タロウ”が良い 理由はウルトラマンと顔が似ているからだ。
使用例は夫にこう言う
「おおっ今日も太郎がいるよ」
「太郎が出勤してきたね」
「すごい太郎は皆勤賞だね」
だが太郎は食堂のテラスだけでなく廊下にも部屋にもいた、主人は提案した ややこしいから苗字をつければ?
木村君、山田君、岡本君、キダ君・・・・そして苗字は足らなくなった。
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