ゆみこママと
なんちゃってな人々


03年7月その3

03/07/30更新
今回もお茶に関してのお話です。
ベトナムではカフェで注文すると飲み物と一緒にベトナム茶がついてきます。
日本人の私は時々、お茶だけ注文したくなります。
レストランなどに行ったときは料金がかかるので遠慮なくオーダーしますが、いつものカフェではタダ茶になるのでお茶だけ頂戴とは言いにくいのです。

<お茶は誰のもの?第二話>

私の行きつけのカフェは、木の机とプラスティックの低い腰掛が壁の両側に並んでいるだけである。
客は新聞を読んだり、タバコを二本ずつ買ったりしている。
見た目は庶民向けのわりに、なぜか常連客はお金持ちそうな男客ばかり。

あるときシクロマンが、汗を拭きつつ店に入ってきた。
私は、彼には場違いの様に思えた。
彼は薄汚れた洗面器をカフェの女主人に渡すと、彼女は容器いっぱいに氷とお茶を入れて返した。
シクロマンは、ニコリと顔をほころばせて1000ドン(約8円)を渡して、洗面器を大事そうに抱えて帰っていった。

またあるとき、10才ぐらいの裸足の男の子が、空の容器をもって、
ナムチャム・チャ・ダー(氷入りのお茶、500ドン分ちょうだい)と、
スキップしながらカフェに入ってきた。
親から冷たいお茶のおつかいを頼まれて嬉しいのかな。
見ている私にも胸の弾みが伝わってきた。
シクロマンも男の子も、冷たいお茶をカフェで買うのが、とても嬉しそうだ。

カフェの女主人が、いま氷が切れているから、あと30分してから、またおいで、と言うと、
男の子は残念そうな顔をしたが、すぐ思い直したように笑顔で帰っていった。

10分くらいしてから、男の子が、今度は容器に氷を入れて、再び走り込んできた。
女主人は、黙ってそれを受け取って、お茶をなみなみと注いで渡した。
男の子は、カモン(ありがとう)と元気な声で言って、
こぼれないようにそろりそろりと帰っていった。

女主人はお金を取らなかった。

氷が入っているとお茶はタダ。
お茶は誰のもの?
そう、お茶はみんなのものです。
03/07/25更新
こんばんわ
昨日は、驚きました。アオキさんという方が来られてグリーンティーを頂きました。 ラッキー!

驚きと嬉しさでアオキさんには訳の分からない事を話していたと思います。
お茶で思い出したので、今日はお茶のお話です

<お茶は、誰のもの?第一話>

カンカン照りの昼間、日本から遊びに来たJ子と、バイン・セオ屋(ベトナム風お好み焼き)で食事をしていたら、ノン笠をかぶった物売りのオバちゃんが、こちらに近づいて来た。
私が、コン、コン(いらない!)と首を振ったら、オバちゃんは笑顔を見せて、私たちの目の前の湯呑みを、ヒョイと取って、ポットのお茶を二杯飲み、湯呑みを元に伏せて帰っていった。

私とJ子は一瞬顔を見合わせた。
お互いの眉毛がフッと上がった気がする。
しばらく黙って口をあけた後、大笑いした。
日本では、通りすがりの人が勝手に客のテーブルのお茶を飲んで帰ることは有り得ない。
でもここでは、店の人も怒らないし、客も何も言わない。
湯呑みを元に戻さなければ、店の人が片付けるのに思ったが、すぐに、気がついた。
店の人も湯呑みは洗っていない。飲んだ後は伏せて元に戻すだけなのだ。
客自身が、お茶を飲む前に自分で、湯呑みをお茶でゆすぐのが、ここの流儀である。

J子は、その後、しばらくこの出来事にウケまくって、そして日本へ帰国していった。
帰国前に彼女に、「ベトナムで一番、おもしろかったのは何?」と聞くと、
即答で「ベトナムの人!」って答えた。
観光地や料理ではなくて人が面白い!というのだ。
あれから3ヶ月、いつものカフェでコーヒーを飲んでいたら、ハウスキーパーのチィツィがノシッ、ノシッとやってきた。

私に用事かな?

すると、彼女も勝手にカフェのコップを手に取って、お茶を注いで一気飲みし、「ハァー」と言って笑いながら帰っていった。
別の日、同じくカフェでお茶していると、またまたチィツィがやって来て、ベトナム語でしゃべりまくった後、今度は、私が今飲んでいるお茶を一気飲みして帰っていった。

あのぉ、それ私のお茶なんですけど・・・

まっ、いいかぁ。

ゆみこママ過去日記
ゆみこママの感想はBBSにどうぞ
ベトナム在住日記に戻る
i-Mode TOPに戻る
PC版 TOPに戻る