ベトナムコーヒー

ベトナムを訪れてコーヒーを飲まない手はない。独特のフィルターを用いて入れるコーヒーは濃厚で、ベトナムでは珍しく量より質が重視されている一品だろう。フィルターはアルミ製やステンレス製、最近は耐熱プラスチック製も登場しており、色のバリエーションもグッと増えて観光客にも人気が高い。

そこでこだわってみたいのが豆なのだが、残念ながらお店に並ぶコーヒー豆は、私の目にはドングリに値札がついているようにしか映らない。というのは、バターを使って焙煎されるというコーヒー豆は皆濡れて黒光りし、香りの違いを判断することさえも至難の業なのだ。そんな私の節穴を知ってか知らずか、ほとんどのお店で容赦のない豆攻撃に遭う。眉間にしわを寄せながらいくつか香りを嗅ぎ、もっともそうに頷いて見せたりしようものならさらに激しい攻撃に遭うことは間違いないので要注意だ。

しかしながら、本当に気をつけなくてはならないのは豆攻撃ではなく、美味しく飲んだ後の寝不足である。夜にブラックで飲もうものなら徹夜は必至。丑三つ時を過ぎても頭は疲れた身体を無視して冴え続け、栄養ドリンク顔負けの効果を見せること請け合い。

どうしてあの時テスト前日に飲まなかったのか…。よりによってどうして昨日飲んでしまったのか…。旨さゆえ憎みきれないベトナムコーヒー。今はホームページも増え、日本でも手軽に楽しめるようになっているようです。夜明け前の布団の中、まるで走馬灯のような後悔の念に駆られたければ是非お試しを。

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