思い出 

 早いものでベトナムに赴任してきて1月が経つ。季節の移り変わりは早いもので、昨日は桜前線が岩手県まで北上したらしい。四季の無いホーチミンにいると四季があることのすばらしさを改めて感じさせられる。

「ベトナムにいると一年なんてあっという間に過ぎてしまうよ。」先日現地に住む知人がこんなことを言っていた。一年前は何をしてたっけ?思いを巡らせて見てはたと気づくと、去年の春と桜の季節を手がかりに記憶の糸を手繰っている自分を発見した。ベトナムに来るまで気にしたことは無かったが、昔の記憶を思い出すときには案外季節が重要な材料になっているものである。そういえば、数年前に田舎に帰ったのは何月だったかな?と考えてみると、まず思い出すのは季節であり、その次に思い出すのが祝日や祭日。ここまで来てやっと何月だったかを思い出す始末である。

 いや、待てよ、となると・・・背筋に寒気が走ってハッとする。ここホーチミンには季節も無ければ祝祭日もほとんどないではないか!これから先はどうやって記憶を呼び起こすんだ?そういえば、2,3日前のNHKでアルツハイマー病についてやっていた。予防方法もいろいろ言ってたけどイマイチはっきり思い出せない。ああ、あんなに丁寧に説明してくれていたのに・・・。

 果たしてこれから先、ベトナムでの思い出はどのように記憶されてゆくのか・・・。

新たな不安をよそに日本の四季に思いをはせる今日この頃である。

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