VCD

日本にはなく、ベトナムにはあるものの一つとしてVCDというものがある。どうやらアジアではかなり普及しているらしい。VCDというのはいわゆるビデオ・コンパクト・ディスクの略であり、DVDの子分みたいな感じのもの。VCD一枚に収まる情報量は少なく、50分から1時間の映像といったところだが、なんと言っても手軽に楽しめてしまうのがイイ。

まず手軽さ1。価格。私の市場調査が正しければ、一枚あたり約15000ドン〜20000ドン程度で、大抵の映画が二枚組みとなっている。その場合はきっちり二枚分取られる。

次に手軽さ2。通常のパソコンがあれば見れてしまう。特にDVDドライブなどは必要なく、メディアプレーヤーでOK。

もう一つ。一番重宝しているのがベトナム語の字幕。音声は英語で字幕はベトナム語であると手軽に勉強できて為になることこの上ない。

しかしそこはベトナム。ちゃんと欠点も準備されている。先日見た映画は2枚組みのうちの片割れが不良品だったせいで、ちょうどいい場面でお預けを食らってしまった。こらえきれず断腸の思いで取替えに行ったはいいが、やっぱり交通費の方が高くついた。さらにもう一つは、VCDによっては字幕が3ヶ国語くらいあり、時には画面の半分以上を覆っていることもある。強引なベトナム語の吹き替えが入っていることもしばしばで、そんな時は映画を1本見るのにかなりの集中力が必要となることは間違いない。

言わずと知れたことだが、すべてのVCDは海賊版である。誰がどこから仕入れてくるのかは分からないが、封切直後の映画さえも売られていたりする。「この映画はいつベトナムで上映されるのか…。」部屋でVCD映画を観ながら前回見た3ヶ国語の字幕と2ヶ国語の音声で上映されていた映画を思い出した。まさかこれが……

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