ゆみこママと
なんちゃってな人々
3年6月その2
03/06/26更新
こんにちわ〜
日本は全国的に梅雨入りしたみたいですね。
こちらは、ほぼ毎日スコールが来ます。
降っている時は涼しいけれど、その後また蒸し暑くなります。
梅雨と言えば、食中毒のシーズン。
ベトナムには食中毒はあるのでしょうか?
きっとある筈ですが、皆さんお腹が強いようで・・・・
<臭いでから、食べるべし>
野菜は虫の穴だらけ、虫そのものがついている時もあるので、生野菜を食べる際にはよーくチェックする。
実際に小さく動くエイリアンを発見したことは何度もある。
マリヤカラスがダイエットのために回虫を飲んだ話は有名だが、いくら私が産後ますます肥ってきたとはいえ、お腹の中にエイリアンを住ませてまでダイエットするのはいやだ。
何気なく台所を覗くとミドリさんが食べ物の臭いを嗅いでいる。
おやつのマンゴーだ。
「コラッ、何で臭いを嗅いでいるの?腐っているのは出さないでよと」念を押す。
冷蔵庫の中には、一週間前の夕飯の残りや、腐ったフルーツや野菜などがギッシッリ入っている。
ミドリさんに何度言っても処分してくれない。
私が捨ててしまうギリギリまで待って、飼って犬にやるからと言って持って帰る。
ミドリさんは捨てない。
そんなもったい無いことは絶対にしない。
ミドリさんは驚いたように私にマンゴーを見せ
「ノーノー、オーケー、オーケー、臭いを嗅ぐのは癖なのよ」と言い訳する。
ミドリさんの家には最近まで冷蔵庫が無かった。
自衛本能でクンクン臭いを嗅ぐ習慣は納得できるが、目の前のマンゴーを嗅がれるのは少々不安になる。
ミドリさんはマンゴーを出しながら、アリやハエに一々反応する私に
「日本にはハエがいないのか?」と聞いてきた。
「30年くらい前はたくさんいたけど今は少ないよ」って答えた。
彼女は、こういう時、よく目をギョロギョロさせて驚いてみせる仕草で、ヘエーそうなんだという顔をした。
自分の家には、
ハエやアリ、ついでにねずみも一杯いるよと教えてくれる。
だいたい予想はできたけどね。
そのあと、白カビが浮いているから、もう捨ててと言っておいた彼女の手作りのナマスをクンクン嗅いだ後、
白いカビごとぺろりと食べた。
エーイ清潔なんて、くそくらえだ。
03/06/24更新
今回は、いつもと違う雰囲気のお話しです。チョッピリさみしい。
<山から来たおっちゃん>
おっちゃんは、我が家の隣にあるインターネットショップで駐輪場係りをしている。
客の単車、自転車を整理整頓して入り口の掃除をするのが仕事だ。
勤務時間は朝7時から夜11時迄で休日は無し。
給料は1ヶ月、3食込みで200,000ドン(約1,600円)だ。
これはベトナムでもかなり安い賃金になる。
働き出した当初の彼は、着ている服はボロボロで、鋭い眼つきをしていて凶暴な印象だった。
私も主人も怖いのでなるべく目を合わさないようにしていたし、おっちゃんも私たちを無視していた。
ある朝、ミドリさんが私の残した朝ごはんを、おっちゃんに上げていいかと聞いてきた。
おっちゃんはとても貧乏なので食べさせてあげたいと言う。
それから、おっちゃんは私を見て会釈するようになった。
私からも、そのおっちゃんに飲み物、お菓子、フルーツなどを持っていくようになり、会うたびに、お互いに挨拶をするようになっていった。
覚えたてのベトナム語が通じるかどうか、おっちゃんに話しかけに行ったり、だんだん距離は縮まっていった。
自宅には、家の大家さんを尋ねて、訪問者が時々やって来る、決まってミドリさんが居ない時に。
そんな人に、私が辞書を片手に「今は日本人が住んでいる」と説明しても全く通じない。
ベトナム語で捲くし立てられ、大家さんに会えないと怒り出す人までいる。
おっちゃんは初めの頃、知らんふりをしていたが、次第に助け舟を出してくれるようになり、やがて私が玄関で対応するまでもなく、訪問者に応対してくれるようになった。
おっちゃんは、いつのまにか我が家のウッオッチマン(門番)になっていた。
私が、カフェやミニマートに出かける前はおっちゃんに留守をお願いする。
「トイ・ディー・カフェ(カフェに行ってきます。)」
と声を掛けるとウンウンを頷き、ベロベロバーをして真依子を笑わせる。
荷物をたくさん持って帰って来たときは、必ずおっちゃんが鍵を開けてくれる。
働きはじめた当初、クスリとも笑わなかったおっちゃんの顔は、いつのまにか柔和な顔付きになっていた。
おっちゃんは何処に住んでいるのか、フト気になって、ミドリさんに聞いてみた。
彼には家は無い。
どこかそこらで寝ているはず。
いくつも山を越えた遠い山に、家族と家があると教えてくれた。
そっかぁ 遠い山かー。
ハウスキーパーがミドリさんからチィツィに変わっても、おっちゃんは、依然として、どこかの寝ぐらから、毎日元気に出勤していた。
すでに、おっちゃんのもらう、給料も3倍になっていて、トレパンの上に背広を着てきたり、タバコをすったりして、彼の暮らしも向上していた。
今年の4月末、私は日本に2週間帰省した。
出発当日おっちゃんはバイバイと笑顔で見送ってくれた。
おっちゃんは笑うとシワくちゃの顔になる。
帰ってくるとおっちゃんは居なかった。
4、5日経っても顔を見ないのでどうしたのかと思って主人の秘書に聞いてもらった。
自転車を4台も盗まれてインターネットショップをクビになったらしい。
駐輪場係りとしては致命的失敗だ。
私は秘書の女の子に I miss him (さびしいな)と言った。
彼女は冗談でしょと言ってと笑い飛ばしたが私は本当に寂しかった。
おっちゃんは山へ帰ったのかな・・・・・
03/06/15更新
こんにちわ〜
ご質問のチィツィが英語を話せるかどうかですが。
ハイ、まったく通じません。
そして、ベトナム語で喋り捲る。 それでも不思議とコミュニケーションはとれています。
今回は、いつも、たむろっているカフェの事を書きました。
一人で物思いにひたっていたのは、ほんの最初のうちだけでした。
今は、行くと<クシで9回><41歳、14歳に助けられる>で書いたように
女たちが集まって来て大騒ぎです。それは、それで楽しいですよ。
<ベトナムコーヒー>
カフェで飲むベトナムコーヒーは、思ったより美味しい。
私はブラックコーヒー派なので、コンデスミルクがたっぷり入ったベトナムコーヒーの
カフェ スゥワ ダー(アイスミルクコーヒー)は、最初は恐ろしげな物に思えた。
が、飲んでみると、甘くても、すっきりと後味がいい。
ベトナムの烈しい太陽の照りつけで消耗した体力がみるみる回復してくるようだ。
安い店なら2,000ドン(約16円)で飲めるが、私は家の並びのよく行くカフェの3,500ドンを飲んでいる。
そのカフェは、チャイニーズの女たちがやっていて、
私が行くと、いつもゆっくり飲めるようにと、気を利かせて娘のマイコちゃんの相手をしていてくれる。
ミドリさんは、私がその店に行くと、どうして家で飲まないの?コーヒーは私がいれるのに
と悲しげな顔をするので、彼女がいない昼休みに行っていた。
ベトナムでは昼食が済むと、その後は昼寝の時間で、街中はひっそり静まりかえる。
カフェも、そして唯一のコンビニ(ミニマート)も、二時間近く、昼休みをとる。
どうしてカフェやコンビニまでが、せっかくの稼ぎ時に昼休みをするのかと、初めは不思議だった。
しかし、客自身が寝ているため店を開ける必要が無いのだった。
私のカフェは昼も開いているので、私は昼休みにも行く。
やはり客は殆どいない。店内にクーラーは無いが、扉を開け放しにして、床がタイルでヒンヤリして気持ちいい。
静かにゆったりコーヒーを飲んでいると、遠く離れた異国に今いる偶然と、日本での生活のことを、交互に想い、時空を飛びかっている気分になる。
ゆっくりと時間が流れていく。
ミドリさんには悪いけど明日も来ようっと。
* ベトナムではシェアを占めているものが物の呼び名になる
バイクはホンダ インスタントコーヒーはネスカフェ 紅茶はリプトンと呼ぶ
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